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大石泉「背伸びっと・パフォーマー」


1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 19:27:40.63 ID:FJpcipCh0

「お疲れさま、P」

「相変わらず仕事詰めなんだね。忙しそう」

「私? Pのおかげで、私も忙しいけれど」

「でも、楽しいから。辛くなんてないよ」

「……Pも、そう? だからって、夜遅くまで仕事は感心しないよ」

「今日だけ、って……この前もそう言ってなかった?」

「もう、今日はダメ。私と帰るの」

「外も暗いし、日付が変わったら大変だよ」

「……」

「ふふっ……送ってくれる?」

大石泉(15)
大石泉(15)


2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 19:32:42.46 ID:FJpcipCh0

「最近、亜子がね。私の笑顔が変わったねって言うの」

「さくらは……いつも可愛いって言ってくれる」

「でも、仕事は亜子の方が適任だと思うし」

「アイドルらしいのは、さくらだと思う」

「私は、何ができるんだろうって……最初は分からなかったけど」

「だけど今……皆と、Pと一緒の今なら、少し分かる気がするの」

「Pのおかげ、だよ」


3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 19:39:08.41 ID:FJpcipCh0

「……ちょっといいかな、P」

「その、付き合って欲しいんだけど……」

「あ! 付き合うって別に、変な意味じゃなくって……」

「……ねえ。明日、私たちの予定、空いてるよね」

「さっきの話。Pとリフレッシュしたい気分なの」

「お出かけしようってことで……そういうの」

「ほんとは、さくらや亜子と出かけようかなって思ったんだけど……」

「今日のPを見たら、そうもいかないみたい?」

「……あれ、予定あるの?」

「明日はPも休みなんじゃ?」

「……仕事じゃないよね?」

「……いや、仕事だよね?」


4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/25(金) 19:52:31.05 ID:FJpcipCh0

「……Pは嘘をつく時、鼻の下が伸びる!」

「なんて、嘘だよ。ふふ……面白いくらい慌てるんだね?」

「じゃあ、決まり。明日、お昼前に事務所に集合だよ?」

「えー、じゃない。お仕事も大事だけど、アイドルのケアも大切、でしょ?」

「それとも……私と出かけるの、嫌?」

「……ふふっ」

「目覚ましはきちんとかける事。朝ご飯は軽く、ね?」

「それじゃ、送ってくれてありがとう」

「……明日、楽しみにしてる」


5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 19:59:57.90 ID:FJpcipCh0

「ふー……デートか」

「デートだよね。女の子と男の人が出かけるんだから、デート」

「いやでも、あくまでアイドルとプロデューサーだから。まだ恋人じゃないし」

「デートじゃないかも。でもデートだよね、これ」

「……あとで考えよう」

「まずは、明日の用意しなくちゃね」

「自分が言い出した手前、変な格好できないし」

「そういえば、あの服どこにやったっけ」

「そもそも、Pとふたりきりで出かけるのいつぶりだろ……」


7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/25(金) 20:20:32.57 ID:FJpcipCh0

「……」

「もしもし、さくら?」

「起きてた? ごめんね、遅くに」

「えっと、明日Pとデー……出かけるんだけど」

「どんな服着ればいいか、意見が聞きたいなって」

「さくらだったら、どんな服着ていく?」

「……なるほど、ヒラヒラのミニスカートね」

「でも私そういうタイプじゃ……」

「いや『イズミンちょーかわいいでぇす』じゃなくて……」

「……胸元開いたやつ?」

「いや『イズミンちょーせくしーですよぉ』じゃなくて……」

「そんなに攻めるのはちょっと……」

「『すぴーすぴー……むにゃむにゃ……』じゃなくて……」

「って寝てるでしょ、さくら?」

「……さくらー?」

「……おやすみ、さくら」


8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 20:29:40.93 ID:FJpcipCh0

「もしもし、亜子?」

「今いいかな。ちょっと相談したいことがあるんだけど」

「いやお金は借りないよ。手は借りたいけど」

「明日さ、Pとデー……かけるんだけど、服装どんなのがいいと思う?」

「刺激が必要? 新たなステージ? ニューウェーブ?」

「何か秘策があるの? ぜひ聞かせてよ」

「……制服、か。なるほど」

「悪くないけど、でもせっかくなら、おしゃれしたいな」

「それに、デートに制服着るのも変だし」

「『スク水猫耳で悩殺や!』か……なるほど」

「着たら1億円……じゃあ無理」

「『メイド服でご主人様プレイ』……?」

「あー……参考になったわ」

「ありがとう亜子。じゃあおやすみ」

「……え? いや参考になったよ。すごくためになった」

「ほんとほんと。人生の糧になったから。亜子と友達でよかった。私感動してる」

「……うん。うん……はいはい。それじゃ、今度こそおやすみ。亜子」

10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/25(金) 20:43:04.78 ID:FJpcipCh0

「私らしく、か……」

「そうだよね。変に取り繕わなくても、いいよね」

「いつも通りで大丈夫。変に意識しちゃダメ」

「……寝ながらイメトレしとこう」

(待ち合わせ……Pの服装……行き先……食事……)

(いつも通り……私らしく……意識しない……)

(あれ……着ていく服はあれでいいんだっけ……)

(寝る前に確認したし……大丈夫だよね……)

(それにデートスポットも……あ、あの店の定休日いつだっけ……)

(ちょっと確認しとこう……ちょっと確認するだけ……)

11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 20:49:13.79 ID:FJpcipCh0

「なるほど……手は向こうから繋がせるんだ……」

「歩調は意識して、付かず離れず……」

「さりげなく、あからさまでなく……」

「ふむふむ……デートって奥が深いんだ」

「……って、もうこんな時間!?」

「いけない……早く寝ないと、一睡もできないって……」

「寝よう。寝よう……」

(……)

(でぇすが一回、でぇすが二回、でぇすが……って何数えてるの私……)

(…………)

(諭吉が一人、諭吉が二人、諭吉が……って亜子の癖が……)

「うう……」

12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/25(金) 20:55:58.04 ID:FJpcipCh0

「……」

(あんまり眠れなかった……)

(遠足前の小学生じゃあるまいし……私って)

(でも天気いいし……ちょっと出てみようかな)

(時間まで余裕あるし……眠気覚ましにちょうどいいか)


「それじゃ、お姉ちゃんでかけてくるからね」

「いってきまーす」

13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 21:02:21.79 ID:FJpcipCh0

「あ、ここ……見ないうちに花畑になってたんだ」

「ここがいいかも。ノート開いて、と」

「遠出しなくても行ける所がいいね……」

「近場でショッピングでもいいけど、Pに楽しんでもらいたいし」

「今日は多分どこも混んでるから……うーん」

「……」

(それにしてもここ、いい景色)

(調べ物は後回しにして、ちょっと休もうかな)

14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 21:09:02.10 ID:FJpcipCh0

(……)

(んー……)

(天気良かったから何となく外に出てみたけど……)

(気持ちいいな……気分転換できるし、なんだかリラックスできそう)

(……)

(うと……)

(……)

(すー……)

15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 21:13:21.25 ID:FJpcipCh0


───。


「ですから……遅刻したのは、うっかりスリープモードに入ってしまったといいますか……」

「やはり環境がよすぎるのも、それはそれでよくないと……」

「いえこちらの話です……」

「というか、Pはどうしてスーツを……」

「……飛び入りの仕事?」

「あー……そう。それなら仕方ないよ」

「……仕事ね」

16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 21:22:57.03 ID:FJpcipCh0

「……私」

「一応、楽しみにしてたんだよ」

「ふたりで出かけるのは久々だったし、Pに恩返ししたいと思ってて……」

「でも、Pがそうしたいなら……」

「……」

「じゃあ。私は帰るから……」

「……え?」

「私の……仕事?」

17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 21:29:17.93 ID:FJpcipCh0

「どうして……」

「ねえ、Pは頑張りすぎだよ。たまには英気を養わないと……」

「……え?」

「わ、私が……?」

「私の笑顔が、Pを……元気に?」

「……」

「上手いこと言って、Pはまだ頑張ろうとしてる」

「でも……そう言ってくれるのは、嬉しい」

「私が、少しでも役に立てているのなら。とても嬉しい」

18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 21:35:26.18 ID:FJpcipCh0

「ん、わかった。やろう、P」

「Pに喜んでもらえるような、そんなライブにするからね」

「……あのね。私、背伸びしてたかもしれない」

「いつもPのお世話になっているから……せめてPを元気付けたかったの」

「昨日も。さくらと亜子に相談に乗ってもらったりして、調べ物もして……」

「ほとんど眠れなかった。Pをどうやって元気付けるべきか、わからなかったから、不安で……」

「あ、遅刻の原因はその……ごめんね」

「……でもそもそもの原因はPで……あ、なんでもない。ふふっ」

「あ、それと。今日の埋め合わせは、ちゃんとしてもらうから、そのつもりでね」

「当然だよ、せっかくのデートだし。それはそれ、これはこれ」

「これが背伸びしてない、普通の私だから……ね?」

19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/07/25(金) 21:43:07.88 ID:FJpcipCh0

「さて。それでお仕事はどんなの? 早速データ見せてもらえる?」

「単独ライブ? なら任せて。ファンも、Pも笑顔にしてみせるからね」

「……え? さくらと亜子にした相談?」

「まあ、今日着ていく服の相談、かな……?」

「あんまり良いのは出なかったけど……何が出たかって?」

「えっと、ヒラヒラのミニスカートとか、スク水猫耳とか……」

「……P? なにをメモしてるの?」

「待って、それ今何書いたの?」

「ねえ、流石に着せない……よね」

「P、冗談だよね? そんなもの私が着ても、Pは元気になれないよ?」

「だ、だからダメ、そんな仕事は引き受けないから! 着ないってば!」

「……プライベートでPのためだけに?」

「そ、そそそんなの、余計にダメだから!」

「ああ、もうっ……!」


「やっぱり、しばらく仕事禁止---!!」

20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/07/25(金) 21:45:45.77 ID:FJpcipCh0
おしまい


元スレ
大石泉「背伸びっと・パフォーマー」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406284050/

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  • 新年あけましておめでとうございます。 本日1月5日から平常更新再開いたしますので、改めて今年もよろしくお願いします。
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